24×12



偶然出会った少年は、あの、見知った彼よりもひどく幼く、虚ろな瞳で自分を見上げていた。
まだ、きっと何も知らないのだろう。
ただ、強くなることを強いられ、仲のいい友達も殺し、人を殺すことに慣れ、
そうして、感情を動かされることがあまりなくなったその瞳。
柊の世界に身を置いて、絶望したこともあったろう。
それでも、今のグレンは、彼が何を糧に、この時代を生き抜いてきたかを知っている。
こんな頃からまだ見ぬ自分を夢想して修練を続けてきたのだと思うと、
愛しさが込み上げた。
可愛いと思う。
実際、自分と同じ年の深夜も、最中はひどく幼い表情を晒してくるのが、ひどく欲望を煽った。
だから、今、自分が、不謹慎にも、目の前の12歳の子供に欲情していることに、
グレンは自嘲した。
まぁ、いい。
どうせ、彼が本当に自分と逢うのは、もっと先の話。
いま、ここで少し自分が手を出しても、特に問題はないだろう。
我ながら身勝手な考えではあるのだが―――、グレンは軽く、その子供を手まねきした。

「・・・貴方は、誰?」
「ん?まぁ、お前をよく知っている人間・・・とだけ言っておくよ」
「僕を?柊の、親戚か何かなのかな?」
「・・・ま、そんなところだ」

実際分家なのだから、あながち間違いではない。
グレンは、ぐい、と深夜の細い手を引いて、己の身体に引き寄せた。

「・・・ちょっと、おじさん、やめ・・・」
「おにーさんと呼べよ」

少し苛立ったようにグレンは深夜の小さな体を抱きしめる。そのまま、人目のない裏路地の四角へと彼を誘い込む。
彼は当然のように抵抗した。幼い彼が、それでも子供にしてはそこそこの殺気と、精一杯の呪術を使って逃れようとする。
本当に、可愛らしいと思う。そんなもので、今の自分を捕えられるはずもないのだが、
そんな小さな抵抗も、とても楽しい。思わず笑みが漏れる。
呪符を取り出す素早い動きも、グレンにとってはスローモーションのようなもので。
パシリ、と呪符ごと掴む。そのまま、後ろ手に軽く縛ってやる。
暴れる身体を押さえ込み、衣服を脱がせる。

「や・・・やだぁっ・・・!」
「大人しくしてろ」

丁度、腰を掛けられるような狭い階段を見つけ、グレンはそこに身を預けた。
少年を自分の膝に後ろ向きに座らせ、そうして肌蹴させた胸元に、彼の身体には大きすぎる掌を這わせ、
そうして股を開かせる。ズボンを脱がせてしまえば、その中心には小ぶりの彼の雄。
まだおそらく、誰にも触れさせたことがないであろう、淡いピンク色のそれに、指先で愛おしげに触れていく。ぴくり、と深夜の身体が反応する。

「んんっ・・・!そこ、やだっ、恥かし・・・」
「・・・大丈夫だ」

何が大丈夫なのか。意味のわからない言葉を紡ぐ自分にグレンは笑う。
深夜は、小さな顔をくしゃくしゃに歪めて、泣きそうな顔で自分を見上げてくる。
だがそれは、自分を蹂躙しようとする敵に対する、真っ向からの敵意ではなかったから、
グレンは優しげに微笑みかけてやった。
悪い、ズルい大人の顔。

「・・・大丈夫だから。」

もう一度、宥めるようにグレンはそういって、深夜の頬にキスを落とした。
きゅ、と身を捩る。可愛らしい反応。そろりと撫でるように幼い雄に触れた後、両足を抱え込み、
その中心の、幼く、小さな窄みに触れる。
深夜が、恥かしげにぎゅ、と瞳を瞑って堪えていた。
そんな反応も、今のグレンには欲望の火に油を注ぐものでしかない。

「や、やだ・・・そんな、とこ・・・何す、あっ・・・!」

自分の薬指を、たっぷりと唾液を塗りたくるように舐め、そうして、その箇所に宛がった。
最初から中指や人差し指よりは、細い薬指のほうが解しやすいだろう、という、
あまりに身勝手な考え。深夜が恐怖するように身体を震わせる。
つぷり、とゆっくりと内部に侵入していく。
そこは思いのほか、抵抗なく奥へと指を呑み込んでいった。細心の注意を払い、周囲の肉壁を拡げるようにしながら、奥を目指していく。

「んんっ・・・やだ・・・っキモチワルイよっ・・・」
「すぐに良くなる」

何せ、自分の時代の深夜は、指を突っ込まれてあれほど善がっているのだから。
あれはただの慣れだけではないだろう。そもそも初めて身体を繋げた15歳の頃から
彼は素質があったように思う。そして、今、深夜は12歳でありながら、
口では気持ち悪いといいながら、腰を捩って身体をくねらせていた。逃げる動きというより、
もどかしくてどうしていいかわからない、というような。
唇も震えている。そんな彼の唇に指先で触れ、舌を探るようにして舐めさせる。
小さな可愛らしい唇がバラ色に染まっていて、
グレンの下肢もまた、反応してしまう。
まぁでも、さすがに今ここで、己のイチモツで彼を壊してしまうつもりはなかった。
ただ、こんな幼い反応を示す深夜を見てみたかっただけだ。
少し、羽目を外してしまったようにも思うが、
まぁ、今更だ。
それより、深夜の中は、もう、グレンの指を根本までしっかりと収めてしまっていた。
ぎゅ、と締め付けてくる内部の感覚が、とても素直で可愛いと思う。
指をすこしまげてやると、あぁ、と甘い声が漏れてくる。

「っや・・・あ、あ、そっ、やだぁっ・・・」
「可愛らしい声だな」
「んっ・・・やだ、やめろよっ・・・ああっ・・・」

一度指を引き抜き、今度はもう少し太い、中指を突き立てる。少し拡げられた内部は、
グレンの中指もまた、抵抗なく受け入れてくれた。
先程よりも長い分、最奥までじっくりとナカを愉しむことができる。
グレンはひっそりと好色な笑みを浮かべた。
指でじっくりと中を探り、深夜の、内側の部分に、こりこりとした感触の場所を見つける。

「っあ・・・あ、そこっ・・・なに・・・っ?」
「どうした?」
「あ、んんっ・・・なんか、変・・・」

気持ちいい、という感覚にまだ慣れていない深夜は、
それでも、何かもどかしいような、蟠っているような感覚に
瞳を揺らす。
戸惑ったように自分を見上げる深夜に、グレンはさも優しげな表情を浮かべる。
人の良さそうな、しかし悪い男の笑み。

「どんな感じか言ってみろ」
「ん・・・あっ・・・な、なんか・・・あっ、そこ、」
「どうだ?」
「んんっ・・・もっと、いじって欲し・・・」

指を使い、ぐりぐりと刺激を与えてやると、深夜の可愛らしい彼自身が、ぴくぴくと反応する。
とろりと溢れてくる先走りの液。グレンは目を細める。
やはり、彼の身体は、感じるように出来ているのだ。
初めての感覚に惑乱する彼を眺めながら、緩み始めているそこに、もう1本指を差し入れる。
痛みにぎゅ、と瞳を閉じるが、頬を上気させたまま、何も言わない。
2本の指で、奥を掻き回すように動かし、そうして彼の大好きなそこの部分を中心に何度も擦ってやる。
深夜は、もう、甘い声音と悲鳴を繰り返すばかりだった。
それは、明らかに感じている反応。
戸惑ったように揺れる瞳も、愛おしい。腕の中で、初めての感覚に溺れる彼は、
グレンの欲望を更に煽ってくる。
グレンは、ジッパーを下ろし、己の雄も解放させた。
勿論、彼の中に入れるつもりはない。
ただ、彼の股の隙間で、己の怒張したそれを擦るように軽く腰を突き上げる。
グレンの上に乗り上げさせられたままの深夜の身体も揺れる。
中では前立腺を何度も何度も丁寧に擦られて、
抑えられない甘い声がグレンの耳に響いてきた。

「あっ・・・おにいちゃっ・・・すごぃ、おっき・・・っ」
「っは・・・挿れてやってもいいが・・・まぁ、お前の初めては、16ン時の俺に残してやらないとなぁ」
「っえ・・・どういうこと・・・」
「こっちの話だよ」

グレンは笑って、更に指を強く奥に押し付けた。
と同時に、グレンの雄から溢れる先走りもまた、深夜の内股に押し付ける。
ぬるぬるとした感触と、その雄の熱に怯えながらも、深夜は快楽への誘惑から逃れられない。

「っあ・・・や、ああっ・・・奥、ヘン・・・っ」
「気持ちイイ、って言ってみろ」
「あ、あっ・・・ンっ・・・き、きもちいぃ・・・っっ」

言った瞬間、深夜の身体がぶるりと震え、深夜の白い肌に、白い精を吐き出させていた。
深夜は、くったりと身体の力を抜いてしまった。もしかしたら、初めてだったのかもしれない。
そう思うと、グレンの中で、子供などに手をだした背徳感と、それ以上に強い欲望が込み上げる。
腕の中の幼い彼を捕えたまま、グレンは己の雄もまた、深夜の小さなそれに擦り合わせるようにして
快楽を高めさせた。掌で、互いの亀頭の辺りを包み込むように何度も扱き、
そうして、先端の割れ目をぐりぐりと指で擦れば、絶頂はすぐそこ。

「深夜・・・」
「おにいちゃ・・・っっ!!!」

グレンは深夜の股の間に、己の欲望の丈を解き放っていた。
どろりとしたそれが、深夜の腹に、胸に、そして喉や顔にまでかかってしまっているのが
とても官能的だと思う。こんな幼い子供相手に。
何をやっているのか、と冷静な自分の声が聞こえてくるが、
まぁ、今更だ。

「・・・っ・・・汚・・・ぃ・・・」
「綺麗にしてやるから。大人しくしていろよ」
「・・・うん・・・」

強く抱きしめてやると、壊れそうな程の小さな体が、それでも自分に身を預けるように縋り付いてくる。
グレンはぽんぽんと銀の髪の頭を撫でてやり、
それから、彼の身体を綺麗に拭いてやったのだった。





end.






Update:2015/07/21/TUE by BLUE

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