生まれたままの君でいい



その日は、珍しく任務以外でチーム全員が集まれる日で、
そういうオフの日は、決まって自分の部屋に皆が押しかけてきていた。
別に、俺の部屋である必要はないと思うし、
むしろ深夜の部屋のほうが広いから、そっちのほうがいいんじゃないかと思うのだが、
深夜は「仮にも柊家の僕が仲間呼んでどんちゃん騒ぎしてた」なんて知れたら士気が落ちるだろ?と
もっともらしい理由をつけて足しげく通ってくるのだ。
正直な話、俺だって同じ理由を言いたい。
大体、こいつらが顔を合わせると、部下の目線があるなしに関わらず
一気にガキみたいに口数が多くなるし、本当にうざかった。
しかも、しかもだ。
みんなで集まる、となると、一気に五士と深夜のテンションがあがるのだ。
あいつらは揃って意気投合し、山ほど酒やつまみや食材などを調達してきて小百合に料理を頼んだり、
文字通り酒盛りをしてどんちゃん騒ぎをするのだ。
全く煩い事この上ない。
だがそれでも、確かに今では、このメンバーで顔を突き合わせて騒ぐ時間は
なかなかとれなかったから、付き合ってやっていたのだが。

「くっそ・・・あいつら、騒ぐだけならまだしも、俺の部屋をめちゃくちゃにしやがって・・・」

思わずため息が漏れた。
つい先ほどまで、台所は時雨が片づけてくれていた。
酔いが回ってほとんど足元がおぼつかないでいる美十と五士は、小百合と深夜がそれぞれ付き添ってやっている。
そんなわけで、自分もせめて部屋の片づけでもするか、と重い腰を上げているのだが、
そもそもソファやダイニングテーブルの位置は違うわ、
フローリングの床はなにを零したのか知らないがべたべたしているわ、
つまみのビニールゴミが散らばっているわで、思わずあいつらがその場にいたら殴ってしまいそうな気がする。
ゴミはゴミ箱へ、自分のゴミは自分で持ち帰りましょう、とガキの頃に習わなかったのか。
イライラしながらなんとか部屋を片付けていると、
そこへ、インターホンが鳴った。
まぁ、それは予想のついたことではあった。
この、明日はオフ、特にすることもなく自由に過ごせる、というこの状況で、
あいつが部屋に戻ってこないことはなかった。
だが、面倒なので開けてやらない。あいつはどうせ、好き勝手に入ってくるし、
わざわざ気を使ってやる必要もなかったから。
ついでにいえば、まだ、部屋の片付けも終わっていない。
床の上にはいくつもの大き目のクッションが散乱したままで(あいつらが座布団替わりに使っていたのだ)、
それを拾い上げて定位置に戻そうとする。と、その下に・・・―――。
・・・問題のそれはあった。
五士や深夜が、何やら2人で眺めて盛り上がっていた、あれだ。
その当時、俺は正直興味がなかったし、女子たちは勿論、汚らわしい目であいつらを見ているわけで、
わざわざ男だからといってそれに混じる必要性も感じなかった、のだが。

「・・・・・・」

きっと、五士がここに置いていったのは、単純に忘れたからではないだろう。
明らかに、会話に混ざらなかった俺に、「貸してやるよ」という意思表示。
思わず、お前いくつだよ・・・と心の中でツッコミを入れてしまった。
エロ本を回し読みしたり、中学生のガキかっつーの。
俺は、とりあえずそれを拾うと、ぱらぱらと捲ってみた。
エロ本というよりは、大人向けの週刊雑誌のようなものだ。しかも奥付を見れば、2012年。・・・懐かしい。
最初と最後に結構なページ数を割いている際どいグラビアと、
芸能界の下ネタがメインのスキャンダル記事。今はほとんど記憶が薄れているが、
俺でも名前くらいは知っているような有名アイドルグループのメンバーの名前などが載っている。
懐かしげに軽く記事を読んでいると、
後半の記事の間あたりに、何やら怪しい、オトナのグッズの写真が並んでいた。
どうやら、通販記事らしい。
まぁ、お得用コンドームやら、エロビデオの詰め合わせやら、ローションやまぁ玩具くらいなら別に想像に難くない。
が。
が。
個人的に目を引いたのは、女性の下着的なものの中に、非常に過激なものがあったからである。

「・・・・・・」

男を誘うには、いろいろ女性も努力しているのか、と改めて思う。
だが、しかし、・・・不思議だ。
まぁ、ちょっと食い込みがきつい下着や、乳がポロリしそうなデザインの下着は・・・わかる。
スケスケなのや、ひもパンも・・・まぁわかる。
だが・・・
まず、下着のくせに、隠すべき所をまったく隠せていない穴が開いていたり、むしろ全部紐だけで出来ていたり(?!)、
乳首だけ露出させたような形のモノ、割れ目部分にまさかのパ〇ル・・・!!(ゴホゴホッ)
何のためにあるのか全く意味が解らない。
第一、そこまでして誘わないと興奮しない男ってどんな奴だ。
思わず食い入るように見ていると、

「っう、わ。グレンってそういうのが好みなの?」

と、いきなり横から声が聞こえてきて、一瞬、どきりと顔を向けてしまった。
・・・深夜だった。
そういえば、外にいるのに完全に放置していたことを思い出した。
痺れを切らしてきてしまったのだろう。丁度俺がこんな本を読んでいる所にぶち当たるとは、
本当に運が悪い。まぁだがこいつはそういう奴だ。が。が!!
深夜は、珍しくコートを羽織ってきていた。
というより、素裸に巻き付けて来ていたような・・・そんな生肌が、コートの隙間からちらちらと見える。
こういうのを、誘っているというのだろうか。
・・・まぁ、こいつとの関係は、正直長い。もう8年にもなる。
若かった頃は、それこそ毎日のように身体を繋げたような気もするが―――・・・今はそこまでではなかった。
こうして、たまに余裕がある時に夜を一緒に過ごす程度だ。
―――ああ、そうか。
唐突に、合点がいった。
つまり、こういう下着は、何年か恋愛関係を続けてきた男女が、
マンネリ化を防ぐために常に冒険をしている、ということになるのか。
まぁ、それなら納得できる・・・気もする。
いささかエスカレートし過ぎている気もするが・・・。

「・・・で、つまり、お前もマンネリ化を防ぐ努力をしているってことか・・・」
「は?マンネリ化?」

まったく意味がわからない、と言った風に顔を顰める深夜。
まぁ、そりゃそうだろう。すべて俺の脳内の発言だったから仕方がない。
たが、深夜がたまに、こうやって馬鹿な格好や、わけのわからない小道具を持ってきたりするのは
そういう意味なのだろう。
たまには刺激を求めよう、と、そういう話か。

「・・・めっちゃ、興奮してんじゃん」
「まぁな」

俺は、深夜の裾の長い服を引き、広いソファに転がした。
案の定、捲れた裾の下は、生足がはみ出している。おそらく、コート1枚の下は全裸なのだろう。
この、変態、と囁きながら、はみ出したひざ裏から、コートの中に忍び込ませるようにして内腿をさする。彼のよわい部分なんて、すべて知っている。
足の付け根に向かうこの柔らかな部分を撫でると、深夜はいつだって甘い声音を漏らすのだ。
だが、今日は・・・少し、何か、違っていた。
確かに、深夜は甘い声を出した。かすかに上気した頬だって、いつも通りだ。
だが、指にあたる感触が・・・違っていた。
素裸だとばかり思っていた肌に、何やら布地の感触がある。それも、妙に・・・変なカタチをしている。
足の付け根には確かに布地の感触があるが・・・その中心部は思いっきりナマモノだ。
ん?!!!
俺は、いきなりコートの中を見るのは正直勿体な・・・いや、単純に怖いので、
とりあえず無表情を装って両手を下肢から差し入れた。
・・・やはり、付け根の所以外に、布地がない。
丁度切り込みがあるあたりから、陰嚢と、そしてもう明らかに勃ち上がり始めているペニスがはみ出している。
さらに言えば、後の、引き締まった筋肉のついた尻を撫でると、隙間に食い込んでいる所謂Tバックとかいう奴で。
しかも、しかもだ、下腹のあたりに申し訳程度の布地があったと思ったら、
その上のヘソのあたりは、まるっきり露出しているし、
上のほうは、網タイツか?!というような太めの紐で編まれたようなデザイン。
乳を挟むように食い込む、伸縮性のあるそれのせいで、何もないはずの男の胸筋が強調されている。
・・・・・・滑稽すぎる。
そんなこんなで、気づけばコートを完全に捲り上げてしまっていた。
呆れたような表情が隠せない。本当に、なんなんだこの下着は!!!!!

「ほら、だから普通に寒かったから着て来ただけだって」
「そりゃ寒いだろうよ・・・」

こんなものを着て、下着を着ているとは言わない。
っていうか、こいつはどこからこんなもの持ってきたんだ。

「前に、調査任務に行ったときにいろいろくすねてきたんだよ。で、洗って使えそうなものは部屋にある」

・・・ん?ということは。

「深夜・・・まだ部屋にいろいろあんのか?」
「まぁねぇ。でも、あんまり出すつもりはないんんだよなぁ。
 五士にバレたら五月蠅そうだし、女の子たちもめんどうそう〜」

これはそもそも、女が着る服なのだが。
そういう突っ込みも、もう既に遅い。深夜は嬉々としてコートを脱ぎ捨て、エロ下着を着たままの姿を晒し、
今度は胸を押してソファに押し倒し、乗り上げてくる。
広いソファは、プレイに困るほどではなかった。
改めて深夜の恰好を眺めてみる。・・・呆れるほどのいい眺めだった。
特に胸元が壮観だ。
丁度、女より乳首の位置が横にそれているせいで、紐の部分に丁度隠れているのが面白い。
指でそれをはじいてやると、ひゃん、とどこから声を出してるのかわからない深夜の嬌声が漏れてきた。
痛いくせに、どんだけ感じてるんだよ、って思う。

「んまぁ・・・でも、グレンも好きってんなら、着てきたかいもあるっていうか」
「9割がた、楽しんでるのお前じゃねーか」
「わかる?」

ふふ、と深夜は嬉しそうに笑う。
俺のズボンのジッパーを下ろし、ペニスを外気に晒す。
そうして、足を跨ぐように腰を落とし、手を使わずに俺の雄に擦り合わせる。
どんどん形を変えて、太く勃ち上がってくる俺のに合わせて、
深夜の腰つきも激しくなる。
彼の、仰け反った喉と、繋がってはいないものの、ひどく官能を煽る光景・・・・・・・・・いや・・・。
俺は、何か違和感を感じて、眉を寄せた。
下着?は、大人の色気を感じさせる黒だ。
白い肌に、くっきりした線がとてもエロいと思うのだが、
少しだけ目障りなものを発見してしまい・・・俺は眉を顰めてしまった。
なんとか目を逸らそうとするのだが、できない。
気になって仕方ないのだ。
白く滑らかな肌に、黒い下着。ならまだいい。
だが、その問題の下着は、下腹部を完全に露出させている。
ペニスの上の・・・深夜の陰毛が、きつい下着の布地に押されて、なんだか四方八方に乱れているのが・・・
なんとも・・・微妙だった。
いっそ、剃ってしまえば、気にならなくなるのではないか?
そう・・・思ってしまった。
そもそも、他の肌は深夜はとてもつるつるしている。
すね毛も、腕や脛の毛という毛はほとんど綺麗だった。もちろん胸毛も生えていない。
生えているのは、銀髪と、銀色の眉毛と、これまた銀色の陰毛。
普段は手触りもほとんど気にならないくらいなのだが、
今は黒い下着のせいで、ちぢれ毛が酷く目立つ。
ここに生えている毛だけが・・・どうにも気になって仕方がなかった。

「深夜・・・これで、ちゃんと穿いてきたつもりか?」
「え・・・?どゆこと・・・?」

掌で、下肢に触れる。
布地に覆われた脇から、露出している下腹へと撫でると、深夜は身を捩った。
腹はくすぐったいらしく苦手なのは相変わらず。
後に手をついて、身体を必死に支えている。その体制のせいで、
深夜の極限まで開かれた股の間のすべてが見える。
露出した前、陰嚢の後ろで布地がクロスし、そのまま尻の間に食い込んでいく様子のすべてが。
・・・やはり、気になる。

「・・・・・・」

俺は、深夜をそのまま放置して、洗面所に向かった。
取ってきたのは、シェービングフォームと、T字カミソリと、・・・ついでにローションだ。
つるつるになったそこにローションを塗れば手触り抜群・・・とか思ったわけではない(断じて)。
保湿が必要だろう。特にそこは肌も薄いだろうし。

「ちょっと・・・どしたの?グレン」

いきなり放置されて、不安げな深夜の声音に少し笑ってしまった。
別に、萎えたわけではない。その証拠に、これからのことを考えるとむしろ下半身がやばい。
先程少し高められたそこが、更に力を増している気がする。
俺が部屋に戻ってくると、ぼうっとしていた深夜が、目を見開いて青ざめた。
その反応が、なんともそそる。
彼が驚く反応なんて、そうそう見られるものではなかったから。

「な、なにする気だよ・・・!?」
「見りゃわかんだろ。剃るんだよ。」
「っはぁ!?」

素っ頓狂な声を上げて、深夜は後ずさったが、ソファから立ち上がれたわけではなかったから
簡単に彼を追い詰めることができる。深夜の顔を見下ろすと、先程よりも何倍も顔を朱くしていて、
ここまで羞恥を露わにするのは確かに久々に新鮮な反応だ。
こういうのも、確かに楽しいかもしれない。
だが、俺はなんとか真顔を維持し、持ってきた道具類をテーブルに置いて、深夜の足を拡げさせた。
軽い抵抗も、可愛いものだ。両膝を割る様に開かせると、目の前には、気持ち萎えた様子の深夜の陰茎。よくよく見ると、一番目立つVラインの毛のほかにも、若干、陰嚢の下のほうや、肛門に続くラインにも生えている。
いや、全然今まで気にしたこともなかったが、よくよく観察してみるのも面白い。

「っやだ・・・見るなって」
「折角そんなエロい下着着てんのに、毛の処理してないとか詰めが甘いだろ。下着からはみ出してんだろーが」
「いや、これそういう下着だからっ!!!ほら、もともと挿れやすいようにできてんの!!」
「目障りなだけだ。大人しく足拡げろ」
「っや、やだ!やだって!」

じたばたと暴れるように抵抗するが、深夜の抵抗なんて、俺には何ら困ることはない。
顎を掴んでキスをする。舌を差し入れ、深夜の柔らかな舌を捕え、そのまま深く絡みあわせれば、
キスに弱いこいつはすぐに脱落する。今だって、そうだった。
次第に力が抜け、俺の腕を掴んでいた抵抗が弱くなる。
ついでに、萎えかけたペニスも手に包んで、ゆるゆると亀頭を掌の腹で包み込むようにしてやれば、
すぐに深夜の目の色がとろんと快楽に酔ったようになる。実際、アルコールのせいもあるかもしれないが。

「暴れるなよ。怪我するぞ」
「っ・・・グレンっ」
「ちゃんと綺麗にしてやるから。大人しくしてろ」
「・・・ホントに、やるの・・・?」

不安げに瞳を揺らす深夜に、安心させるように頷いてやる。
大丈夫だ、と呟いて、そうして、シェービングフォームを振り、一気に深夜の下腹部にこんもりと泡を作る。
それを拡げるように、掌で下腹部を撫でていくと、深夜はそれすら感じるかのように、
涙目で身体をぶるりと震わせた。
思わず足を閉じそうになるので、深夜に両手で掴んでように言う。
こういう時は抵抗する気も浮かばないのか、従順に膝裏から抱えるようにして足を拡げるので、
そういう無意識の彼の行動が非常に興奮する。
唇を噛んで、下肢を見つめている彼の視線も。嫌だといいながら、
この状況に興奮しているのだ。
どんだけMなんだよ。

「ついでだから、全部綺麗にしちまうか〜」
「あっ・・・そっちまで・・・?!」

もう一度泡を大量に出して、下半身の下の、肛門のあたりまでがっつり塗りたくってやる。
さすがにソファに泡がついてしまったが、今更だ。
深夜にもっと足を開くよう促して、陰嚢から付け根まで泡塗れ。
これはなかなか見ることの出来ない光景で、俺は真顔を保つのが難しくなってきていた。
深夜が恥ずかしげにぎゅ、と目を閉じているのに安心して、
その部分をじっと見つめる。
深夜の、一番大事な毛の部分は最後のお楽しみに取っておくとして、
ここは尻からやるのがいいだろう。
タオルも敷いて、準備万端。
テーブルの上から、T字カミソリを取る。俺は思わず舌なめずりをしてしまった。

「っ・・・はやく、してよ・・・このカッコ、辛い・・・っっ」
「わかってるって」

泡塗れの深夜のそこに、カミソリを宛がう。毛の剃り方なんて大して知らないが、
さすがに怪我させてしまっては今後深夜に何を言われるか。
別にそういうプレイではない。
下着をずらし、少しだけ親指を中に食い込ませ、その部分を拡げる。
無意識に、きゅ、と収縮する深夜の反応に、可愛らしいとは思うが、ちょっと今は動かないでもらいたいものだ。

「〜〜〜ちょ、っと、そこまで・・・っ」
「どうせなら綺麗にしてやりたいしなぁ。・・・動くなよ。怪我するぞ」
「っ・・・」

襞を開かせて、外側に向かってカミソリを動かしていく。
元々そんなになかった部分だが、泡に塗れて、どうせ見えなくなっていた。
とりあえず、何回か滑らせてみると、なめらかな肌が露出したので、
綺麗に剃れているということだろう。
まぁ、新品を開けてきたのだから当然だ。
だからこそ、慎重に扱わねば、切れてしまいかねないのだが。
それを1周させて、肛門周りをつるつるにする。
タオルで拭って、改めてその部分を見つめると、内部の赤い粘膜まで綺麗に見えた。
やはり、手入れというものは大事だなぁと改めて思う。
深夜は、羞恥と快楽に、熱い息を零している。
きっと、早く入れて欲しい、だとか思っているのだろうが、
今は、まだ。
他に俺はやることが残っていた。
泡塗れの上のほうも、綺麗にしてやらないとな。

「腰は下ろしていい。あとはちゃんと足開いておけ」
「っう・・・最悪・・・」

深夜はぼやいたが、もう、ここまでくれば俺に剃られるしかないと腹を括っているらしい。
というより、若干興奮を覚えて気持ちいいのだろう。
先程まで恐怖に萎えていたペニスが、ギンギンに天を向いているのだから。
先端から溢れだす体液のせいで、泡が消えかけているレベル。
もう一度、泡を手に取って、その部分に塗りつけた。
掌で撫でると、より一層、身体がびくりと反応する。今度は、俗にいう蟻の門渡りの部分・・・と、
陰嚢だった。
多分、あんまり毛は生えていなかった気がするが。
もうよくわからないので、布地をズラしながら、、とりあえず撫でるように刃を滑らせた。
この部分こそ、優しくしてやらないとなぁ。
丸みに沿う様に、ゆっくりとカミソリを宛がって滑らせる。そこは、思わずキスしたくなるほどに可愛らしく震えていた。
指で少し支えて、裏のほうまでしっかりと剃っていく。
少し身を捩るので、掌に包み込んだ袋を、指先でやわやわと刺激してやった。
気持ちいいのか、上の方で喘ぎ声が聞こえてくる。
付け根のあたりもしっかりと剃ってしまえば、ただでさえ滑らかだった内股が、更に産毛がなくなり、手触りがよくなる。
何度もそこに掌をすべらせていると、

「んあっ・・・すご、そこ、感じるっ・・・」

深夜が身を震わせて、身体を捩らせた。
まだイってもいないのに、びくびくと痙攣するくらいに感じていて、
俺も思わず、ごくりと唾を飲んでしまった。
これは・・・結構いいかもしれない。
しかも、毛がなくなったことで、きっと、彼の肌も敏感になっているように思う。
ペニスのサオの部分も皮を引っ張るように軽く剃ってやり、後はメインディッシュのみ。
深夜の、前のVラインの部分だ。
泡はとうに消えかかっていて、再び指を滑らせるようにしてそこを撫でる。
やわやわとしたそこの部分は、個人的には結構好きだったのだが。
たまには、こうして本当に生まれたままの姿になった深夜を拝むのも楽しいかもしれない。

「や、やだ・・・」
「ついに、お楽しみの時間が来たな。生まれたままの姿にしてやるよ」
「っ・・・恥ずかしすぎるんだけど・・・」

そう言いながらも、深夜は、今度は自ら、ソファの背もたれに膝を乗せ、そうして片足は床につけて、
まさに全面開脚、といった体だ。
たしかに膝を抱えたままでは、その部分は剃りずらいし、かといって
足を戻してしまっても剃りにくい。
こいつは、結構ノリ気なのではないだろうか。
恥ずかしそうに、装ってはいるが。。。

「まぁでも、元々、薄いほうだから、剃りやすいな」
「・・・だから、剃らなくても平気だって言ったじゃん・・・」
「駄目だ。こう・・黒い下着と、白い肌のコントラストに水を差すのは・・・」
「グレンって変態だよね」
「普通だろ」

男ならこのくらい、普通だろう、と思う。
第一、こんな下着を着るような女なら、このあたりの脱毛はしていて当然じゃないか。
色素が薄いからって、甘えていてはいけないだろう。
長い毛を、丁寧に毛の流れに沿って剃っていった。
真っ白に透けるような肌が覗く。
本当に、彼は白い。
特に、この部分は基本的に露出することなんてないから、焼けることがない。
色素沈着するような部分でもないから、あまりに綺麗な白肌が覗く。
これはさすがに・・・自分を欲情させるには十分だった。
というより、もう既に下半身ははちきれんばかりなのだが。
冷静を装ってはいたが、自分もまた、そろそろ一度イきたい位。
深夜の、焦らされて震えているペニスを掴み、付け根の部分まで丁寧に剃りあげる。
完全に泡がなくなるまで濡れタオルで拭いてやると、
深夜の下半身は完璧になった。
あのエロ下着が無駄毛に邪魔されず、くっきりと彼の肌に陰影をつけていた。
思わず、剃りあげた肌に、唇を這わせ、その感触を確かめる。
ペニスの付け根や、下の、肛門へと続く部分まで、舌でなぞっていけば、
深夜は今度こそ、足を震わせて自分の身体を挟むように求めている。

「っも・・・グレ、イかせてよ・・・」
「ああ。俺もそろそろやばい。
 ・・・ちょっと待ってろ。ローション塗るから」

流石に、剃りっぱなしで激しい行為をしてしまっては、肌がやられてしまうので、
持ってきたローションの瓶を傾ける。
深夜のヘソの辺りから溢れるくらいに流し、掌で塗り拡げる。
ぬめった箇所が、熱かった。これは、一応セックス用のホットローションだった。まぁこれでも
多少保湿効果はあるだろう。
砲身にもたっぷり掌にローションを付けて扱いてやる。
そのまま、乗り上げるようにして、自分の雄もこすり付け、掌に包み込んだ。

「っあ・・・あ、グレン・・・っ」

深夜も堪らなくなったのか、両手を俺の指の上に重ねてきた。
くすりと笑う。俺は、深夜の膝を割る様にして、その部分を見下ろす。
深夜は、夢中になって、ローションに塗れている、2本のペニスを扱きあげる。
ぞくり、と背筋が疼いた。
深夜もだろうが、俺ももう、限界だ。
彼の名を呼べば、俺が欲情している様子が伝ったのか、彼は何度も頷いてくる。
このままイっていい、という意思表示。

「っは、深夜、ちゃんと受け止めろよ?」
「っつ―――僕、も、イっちゃ・・・ああっ―――グレンっっ・・・!!!」

びゅる、と触れ合わせたお互いの先端から、大量の精液が溢れだした。
態勢が態勢だから、それはすべて、深夜の腹や胸、果ては喉や顔にまで飛んでしまっていて、
しかも、深夜の白肌と、黒い下着、べっとりとした白濁がなんともいやらしかった。
だが、興奮はこれで収まらない。
本番は、まだまだこれからだ。
深夜は、もう脱力したように腕をソファの下にだらしなく垂らしているが、
俺は気にせず、先程のローションでどろどろになっている下半身に掌を這わせた。
内股もべったりと糸を引くくらいまで塗りたくり、そして目的の部分にもまた、
更に瓶を傾ける。
もうとっくに緩んでいる深夜の尻は、指の2本や3本など、余裕で受け入れてくれる。
ぐちゅぐちゅと、卑猥な水音があとからあとから漏れてきて、
深夜は羞恥に震える。だが、下半身が疼いて仕方がないのは、彼もだろう。
腰が、無意識に揺れている。
俺の指が奥の、前立腺の部分をぐりぐりと刺激してやれば、
再び深夜のペニスが天を向く。

「深夜・・・感じるか?」
「ん・・・うんっ・・・すご、奥っ・・・熱くて・・・やばい、またイきそっ・・・」
「俺も、挿れてもいいよな?」
「うん・・・っ、早く、来てっ・・・!」

物干しそうに開閉を繰り返すそこを指で拡げて、俺は己のイチモツを宛がった。
熱く蠢くそこに促されて、奥へと入り込む。
ローションのせいで、滑りは最高だった。抵抗どころか、完全に付け根の部分までがっちりと入り込んでしまう。
そうして、その後にくる締め付け感。
包み込まれるような熱さと、絡み付いてくる粘膜。熱い吐息が漏れる。
下半身に全身の血が持って行かれるような、陶酔感。腰を引き、強く奥を抉る。もう、遠慮や気遣いはいらなかった。
深夜が欲しくて仕方のないカオをしていたから。

「っあ、あ、あっ・・・すご、あっ、おくっ、きもちっ・・・!」

腰を強く打ち付けると、肌と肌がぶつかる音が響く。
そして、ローションが弾けるような粘着質な音。熱い吐息。広い室内の、温度と湿度がぐんとあがる。
深夜の身体ががくがくと震え、何度か打ち付けただけで2度目の精を解放した。
今度こそ、彼が動く体力がない。
だが自分はまだ、イっていなかった。達したせいで内部が収縮し、その感触もまたひどく欲望を煽った。
敏感になっていて辛いと訴える深夜には悪いが、
俺ももう、深夜のことを考えてやる余裕はない。弛緩し、緩んだそこを、
掌で叩く。深夜の、苦痛じみた喘ぎ声が聞こえてくるが、
それももはや、快楽を煽るものでしかなかった。

「深夜・・・俺も、イかせろ・・・っ」
「う、うんっ・・・中にっ、出してっ・・・あああ―――!!!」

びゅる、と音がするほど、大量の精液が深夜の内部を汚した。
唇を噛みしめ、中に精を出し切るまで深夜の腰を掴んだまま離さない。
深夜もまた、無意識にか、それとも意識的にか、ナカを強く締め付けてきて。
軽く強請るようにして、内部の感触を愉しむ。
ローションと、自分の精液が、深夜の内部で混じり合って、隙間から溢れ出てくる様子を、
食い入るように見つめていた。
ひどく、卑猥な光景だった。
熱を吐き出した後のペニスをずるりと抜く。緩みっぱなしのそこは、
完全に締まり切らないまま、だらだらと精液を溢れださせていて、俺は苦笑してしまった。
一応、申し訳程度のタオルは引いていたが、
これではソファが完全にアウトだろう。合革とはいえ、これは
放置すればシミになり兼ねない。
その時の時雨の怒り様といったら、さすがに自分でも怖いのだ。
笑いが込み上げてきた。
改めて、深夜の着ている、意味のわからない下着を見つめた。
少しだけ魅力を理解してしまった気がするが、
やはり・・・なんといっても、下着が重要なのではない。
中身の、存在が大事なのだと思う。深夜が、俺を誘おうとして、
健気に努力してくれる姿が、
なんとも可愛らしかった。
だからこそ、こうして長年続いているのだと思う。

「グレン・・・」
「ん」
「今日のグレン、すご、かったね・・・」
「まぁ」

お前のせいだ、とは敢えて言わなかった。
まぁ、誰のせいかと言われれば・・・まぁ、五士のせいかもしれない。
あの、一昔前の週刊誌を置いていった五士のせい。

「ったく・・・パイパンは、生えてきた時がちくちくして痛いんだよ・・・?」
「ちょっと面白かったから、これからは毎回俺が剃ってやるよ」
「っお断りだね!」

深夜は顔を真っ赤にしてそう言うが、やはり照れ隠しにしか見えなかった。
掌で、剃り終わったつるりとした下肢を撫でてやれば、
ひくりと身体を震わせる深夜。
やはり、剃ったほうが敏感になるのかもしれない。
思わず、笑い声が漏れてしまった。
深夜は、唇を噛みしめ、自分を覗き込んでくる俺の胸を思いっきり叩いた。
だが、そんな反応も可愛らしい。全く、これでは認めざるを得ないじゃないか。
自分がどれほど彼に溺れているか。
8年経っても、こんなことを考えてしまうのだから、もう、自分にも手に負えない。

「まぁ、お前もいろいろ努力してんだなぁってことはわかった」
「なんだよ、それ!」

こっちのほうが、よっぽど・・・色々と言い始める深夜に、
俺は聞く耳を持たず、彼の身体を抱え上げた。
どうせ、これはまだ前戯のうち。
本番は、ベッドの上だ。第一、まだまだ時間はあるのだから。

「逃げるなよ?深夜。お楽しみはこれからだ」
「・・・ホント、身勝手・・・」

吐き捨てるように言いながらも、照れたように笑う深夜に、
俺は再び口づけた。





end.





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Update:2015/07/30/THU by BLUE

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