小宇宙大戦争! vol.6



腰が・・・痛い。
目が覚めた時、まずそう思った。まぁ、当然のことなのだが。
フラガは痛む体を起こして、周りを見渡した。
見たことのない、部屋。明らかに、自分の知っている宇宙戦艦の内部とは違っていた。
(あれ、俺・・・)
ボーッとしたままその場にいると、突如横から声が掛けられた。
「やっと起きたのか?遅いなぁ、全く」
自分の声を離れた場所から聞く、というのは不思議な気分だ。フラガは、その一声で自分が今どのような状態にあったのか思い出した。
「っ・・・なんだよ、クルーゼはどうした?!」
照れ隠し・・・というか声を荒げるフラガ。
自分を弄んだクルーゼに、絶対仕返ししてやる、と彼は意気込んでいた。 
そんな体で何ができるんだ?フラガ君。
「クルーゼは上だぜ。でも、今は作戦中だから、おとなしくしてろよ」
「?なぬ??作戦?!」
フラガは驚いた。最近はどちらも休戦状態だったから、今奇襲攻撃(?)をかけられたら地球軍はヤバイだろう。
そんなフラガの考えを読んだのか、ダミー1号(死)は肩を竦めた。
「なんだ?もうお前には関係ないだろう?お前は一生ここで暮らすんだし」
「あるわ!俺のダミーはどうした?戦況は?!」
立て続けに聞いてくるフラガにやれやれ、とため息をつくと、ダミーフラガはモニターを開いた。
そこには、愛機<メビウス(ゼロ)>、そしてそれを庇うように周囲に布陣している地球軍の機動兵器。
「見ての通りさ。帰ってこないお前を追いかけてきたんだろう。ちょうどいい、一緒に叩いてやるってクルーゼは言ってたぜ。悪い奴だな。お前が戦闘再開の発端だなんて」
「・・・ク、クルーゼが悪いんだろ!!」
からかわれているような口調にじだんだを踏むフラガは、けれど体力の限界を感じてベッドに倒れこんだ。
(あいつ・・・・・・)
平気で俺のダミーを殺しやがった。
これで、地球側は明らかに、「第2機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉戦死」とかって処理してしまうだろう!!
俺はここにいるのに!!
今ここで逃げ出しても、このままじゃ今度こそニセモノと思われてしまうし。。。。。。
(く・・・・・・)
自分の愛機が「シグー」によって壊されていく様を見ながら、フラガはかなりヘコんでいた。
そのまま、フラガは眠ってしまったようだった。









いやー、切ないねぇ(・・・どこが?!)




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Update:2003/10/18/FRI by BLUE

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