Love in War! vol.3



アスランは、隊長の部屋へ行くべく廊下を歩いていた。
けれど、その顔は重く沈み、うつむき加減だ。
心の中の不安に捕らわれていたアスランは、周りの気配を失念していた。
「動くな」
口元を押さえられ、銃を突きつけられる。突然の出来事に、アスランの目が見開かれた。
背後から襲ってきたその存在の声には聞き覚えがない。
「安心しろ、殺すつもりはない。・・・奴はどこだ?」
「奴?」
アスランは顔をしかめた。<当然だ
「ラウだよ、ラウ・ル・クルーゼ!あいつどこにいるんだ?」
その言葉にアスランははっとした。このザフト軍の中でさえ、彼のファーストネームを呼びつけにできる者はいないし、自分もまた。
だというのに、ナチュラルらしいこの男は、いとも簡単に「ラウ」と呼んでいるのだ。
「・・・・・・クルーゼ隊長なら、部屋にいますよ」
「部屋ぁ?!あんのヤロー、もうキラを連れ込みやがったのかっ!!」
「キラ?!」
地団駄を踏む男に、アスランは声を上げた。キラだって?!
「・・・ん?君、キラ・ヤマトを知ってるのか」
その言葉に、アスランは再度うつむく。
沈黙の意味を察して、彼―フラガはアスランの肩をポンと叩いた。
「一緒に行こうぜ」
「え・・・・・・?」
銃をしまって、アスランを見やる。
「君、キラのトモダチ・・・なんだろ?クルーゼの魔の手から救いたいと思わないか?」
「いや・・・まぁ・・・」
アスランは面食らった。
それよりむしろ、クルーゼ隊長に本心を聞きたい・・・というか、自分の方に向いて欲しいくらいなのだが。
でも、それより今は、この男と隊長との関係が気になった。
「ちょっと待ってください・・・貴方とクルーゼ隊長とはどのような関係なんですか?」
必死な表情に、フラガはやれやれとため息をつく。
・・・あいつ、こんな少年にまで(キラも、だが)手ェ出しやがったな。
「んー、俺?ま、すぐにわかるさ」
その場ははぐらかして、フラガはアスランと共にクルーゼの部屋に向かった。
彼の部屋では、何が行われているのか・・・・・・。
2人は一抹の不安を感じながら、クルーゼの元へと急いだのだった。





・・・ほんと、どうしよう。クルーゼ様が節操ないせいで・・・(爆)




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Update:2003/10/18/FRI by BLUE

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