Love in War! vol.6
「ラウ・・・・・・」
朦朧とした意識の中で、クルーゼは自分の名前が呼ばれたのに気付いた。
自分の名前。それを呼べるのは、ただ一人しかいない。
「ムウ・・・?」
見上げれば、昔はいつも見ていたフラガの顔がそこにあった。
そういえば、いつだったか自分がこうやって熱を出した時も、フラガは看病してくれていた。
なんだかすごく安心してしまったクルーゼは、微かに口元を緩め、瞳を閉じた。
途端、重ねられる唇。そして、生暖かな液体が流し込まれる。
薬か何かの類だろうか。
体力の限界ついでに精神後退までしていたクルーゼは、何の疑いもなくそれを飲み干した。
そのまま、フラガはクルーゼの唇を味わう。
けれど、その美しい構図(オイ)は、次の瞬間SEED主人公によって壊されてしまった。
「あーっ!!!フラガ大尉!!抜け駆けはずるいですよっ!!」
いままでタオルを濡らしにいっていたキラである。
げっ、とフラガは身を引いた。
すかさずキラはフラガとクルーゼの間に割り込んでくる。
「ほら、クルーゼさん、熱くなってる・・・」
キラはクルーゼの熱を持つ額に、冷たいタオルを乗せた。(・・・ちなみに、仮面はもう外してます)
ゆっくりと目を開ければ、なんとも心配そうな表情をみせるキラ。
その見つめ合いは、まるで風邪を引いた夫を心配する妻、キラ・ヤマト夫人。
フラガはちょっと蒼褪めた。
「お、おい。なに見つめ合ってんだよ!クルーゼの本命は俺だぞっ!!」
「大尉こそなに言ってんですか!!僕は、小さい頃からクルーゼさんの傍にいたんですからね!!邪魔はさせませんよっ!!」
すかさず、クルーゼの唇を奪うキラ(爆)。
それを、今度はアスランが目撃した。
「キ、キラ!!!隊長を襲うなんてなんて悪い子だ!!!隊長は僕のだっ!!」
持ってきた食事プレートをベッドサイドに置いて、アスランはベッドに座る。
そして、ぼんやりと見つめてくるクルーゼに、にこっと笑って見せた。(!!)
「大丈夫ですよ、隊長。僕がついてます」
そうして、持ってきたスプーンで、・・・あーん(爆死)
その途端、・・・案の定激しいブーイングが横から飛んできた。
「ああああっ!!!お前〜!!ズルいぞっ!!俺にもやらせろっ!!(フ)」
「アスラン、なんで君はいつでもオイシイ所ばかり取るんだっ!!僕にもやらせてよ!!(キ)」
病人の上で、なにやらがちゃがちゃと争いを始める3人。
その煩さに、先ほどまでおとなしくしていたクルーゼの種(オイ)が覚醒した。
・・・五月蝿い、五月蝿い、・・・・・・五月蝿い!!!
「・・・五月蝿いっ!!!騒ぐなら外でやれっ!!!!」
「うわっ」
いきなりクルーゼが身を起こしたため、ベッドに乗り上げ気味だった3人は仲良くひっくり返った。
それに人睨み効かせてから、クルーゼはテーブルに置いてあった仮面を付ける。
「ら、ラウ・・・ごめん(フ)」
「ご、ごめんなさい、クルーゼさん・・・(キ)」
「隊長・・・すいません・・・(ア)」
しょんぼりとする3人を尻目に、クルーゼは部屋を出た。
そうだ、始めから間違っていたのだ。
この部屋で休息を取ろうなどと考えた自分が甘かったのだ。
クルーゼはギリギリと唇を噛み締めると、怒りのままにずんずんとブリッジに向かったのだった。
・・・てか、どうやって終わるの?!コレ。。。
→Love in War!vol.7へ