Evil Night vol.1〜魔の夜にて



 気付けば、空気が変わったような気がした。
 夜の闇が世界を支配する頃。
 廃墟のような荒廃した街に自分がいることに、青年は驚いていた。
 ふと後ろを振り返れば、今歩いてきた道さえわからず。
 世界にただ一人取り残されたかのような孤独感に、彼は思わず走り出した。
 けれど、不安になって叫ぼうにも声がでない。
 まとわりつく濁った空気は、力まで奪って行くのだろうか。
 だんだんと意識が薄れていくのを感じながら、青年はその場に崩れ落ちた。




 「おい、起きろ」
 無理矢理腕を引っ張られるような感覚に、青年は目を覚ました。
 全身がだるく、少し動かすだけでも手足に重りをつけているようだ。
 その上、両腕を2人の男に押さえ込まれ、身動きが取れない。
 薄っすらと目を開ければ、目の前に椅子に座った一人の若者を認めた。
 「・・・で、何?」
 「へい。コイツ、夜中に街はずれで倒れていたんでさァ。よく見たらキレイな顔してるんで、コイツぁと思いやして」
 椅子から立ちあがりゆっくりと歩み寄る若者は、よく見ると自分と同い年か2、3年下かもしれない。
 グイと顎を掴まれ、青年は顔をしかめた。
 捕らえた獲物の品定めをするような冷めた瞳が自分の姿を映している。
 「・・・いいだろう。断わる理由もなければ、タダで助けてやる道理もないからな」
 そう言って、一つ指を鳴らす。
 青年の両脇にいた2人の男は、ぐったりとしているにも関わらず青年を崩れかけた壁に押しつけ、両手を頭上に縛りつけた。
 「っ・・・・・・!」
 手首にあたる鉄製の伽の冷たさと、力の入らない体を手首で支えるその体勢がつらい。
 苦痛に顔を歪めれば、目の前の若者は薄く笑った。
 「ご苦労だったな。あとは俺がやる」
 立ち尽くす男たちに向かって顎をしゃくると、2人は一礼して部屋から出ていく。
 20、21にしか見えない若者が絶対的な権力を持っている様子に、青年は驚いていた。
 「・・・さて」
 ゆっくりと振り向き、青年の顔の脇の壁に手をつける。
 触れるほどに顔を近づけて自分を覗き込む視線が嫌で、青年は横を向いた。
 「あんた、『区外』の人間だろ?」
 聞き慣れない言葉に、眉を寄せる。
 「・・・『区外』・・・?」
 「だって、この街の住民なら夜の障気で倒れることもないはずだし、それに何より」
 微かに脅えたような表情を浮かベた青年の頬を指先でたどる。
 類い稀な美しいラインを描く輪郭と、目の覚めるような銀髪。
 「・・・それだけの見目の奴はここにはいないからね」
  けれど、そう言う彼も、あまり見かけることのない整った顔立ちをしている。
 引き込まれそうで、どこか妖しげな容貌。
 「・・・・・・ここは・・・どこだ?」
 何が起こったのかも正確に把握できない状況に、青年は目の前の存在へと尋ねた。
 「そんなことより・・・あんたのこれからを心配したほうがいい」
 そう言った若者は、なにか異様な雰囲気をまとっていた。
 柔らかな笑みを浮かベ、青年の肩に流れる絹糸のような長髪を弄ぶ。
 一見優しそうな笑みの裏に隠されているものはなんなのか。
 「・・・どういう意味だ?」
 「・・・・・・わからない?」
 頭上に縛られた手に、死人のような冷たい指先が重なる。
 「・・・やめろっ!」
 不穏な空気を感じて、青年は声を荒げた。
 だが、壁に押しつけられ、手首まで縛られたこの状態では、抵抗もできないに等しい。
 若者の顔がゆっくりと近づいてくるのが怖くて、青年は顔をそむけた。
 「あんたは今夜、売りさばかれるんだ」
 「・・・・・・売り、さばかれる・・・だと・・?!」
 驚き、というよりもあっけにとられる様に、青年は目を見開いた。
 若者はそれを一瞥すると、胸元に手をやる。
 そして、一気に前を引き裂いた。
 「なにを・・・・・・!!」
 「あんたの体が、売り物にふさわしいか見てやるよ」
 露わになった白い肌に手を這わせる。
 氷のような感触がゆっくりと下に降りていく感覚に、青年の体がびくりと震えた。  「や、め・・・ろ・・・・・・」
 おぞましさを掻きたてる手から逃れようと身を捩るが、その度に胸元を這う手が体を押さえつけてくる。
 脇腹をやんわりと刺激されれば、感じたことのない痺れが全身を駆け巡った。
 「・・・っ!!」
 「何あんた、もしかして、初めて?」
 図星をつかれた青年が顔を真っ赤にして目の前の若者を睨むと、睨まれた存在は声を上げて笑った。 
 「あんた、何歳?」
 「・・・・・・22」
 「へぇ。その年でヤったことないなんて、『区外』の人間って随分とおキレイなんだね」
 おかしそうに笑って、今だボトムに覆われた青年自身に触れる。
 そこは、先ほどの愛撫のせいか既に自己主張を始めていた。
 「もう、こんなになってんの?・・・初めてのわりに、感度、いいじゃん」
   あざけるような口調と、下肢に降る緩やかな刺激。
 布の上からひっかくように与えられる感触をもどかしいと思ってしまう自分が、どうしても嫌だった。
 「・・・嫌・・だっ・・・やめ・・・!」
 「このくらいで嫌だって言うなよ。どのみち、あんたは俺達に犯されるんだから」
 横を向いている青年の頬を掴んで強引に自分の方に向かせた。
 脅えた碧の瞳に、偽りの優しさを込めて微笑んでみせる。
 「もっと嫌だろ?貴重な『初めて』ってヤツを知らない大勢の男に奪われンのはさ」
 青年は息を呑む。
 「だから、俺が先にもらってやるよ」
 絶句する青年にかまわず、下肢を隠すボトムやら下着やらを足下までずり下げる。
 ほとんど全身を若者の目の前に晒してしまった青年は、逃げることもできずに脳髄を襲う羞恥と屈辱に耐えた。
 唇を噛み締め、目をぎゅっと瞑って必死に我慢する姿に、若者は耳元で囁く。
 「いい加減観念しろよ・・・もう遅いんだ。ここの中じゃあ、あんたの命は俺が握ってんだから」
 下肢で息づく彼の雄に触れる。
 震えるそれに指先を絡ませると、勃ちかけていたそれは手の中でより熱を増していった。
 「く・・・・・・っ!!」
 きつく噛んだ唇から、血がにじむ。
 それを目ざとく見つけて、若者は己が支配している存在の顔を覗きこんだ。
 「・・・駄目だよ、綺麗な唇が台無しじゃないか・・・・・・」
 近づく口元。
 現実を見ていたくなくて、青年は目を閉じる。
 だが、予想外に温かな唇が、次の瞬間青年の頭を支配した。
 いつの間にか、下肢への愛撫が止められ。
 両の手が自分の頭の後ろに回されている。
 逃げようとする頭をその手で押さえつけられ、感じることといえば嫌悪感と口内に侵入してくる舌の熱さだけ。
 歯列を割って入り込んでくる濡れた感触に、舌を噛んでやろうと思っていた思考はどこかへ飛んでしまっていた。
 「ん・・・ふっ・・・う・・・!」
 なおも続く、長い口付け。
 逃げる気力も失った舌を絡め取られ、青年の口の端から含みきれない唾液が筋を作っていく。
 息もできないまま翻弄され、青年は苦しげに眉を寄せた。
 「・・・っはぁ、はぁっ・・・・・・っ・・・」
 やっと解放された唇から、貪るように空気を吸う。
 力の入らなくなった全身を若者自身の体で壁に押しつけ、頭上にある手首への負担を軽くしてやった。
 「・・・まだ、抵抗する気、ある?」
 顔を覗きこめば、涙に潤んだ瞳が懇願するように目の前の存在を映した。
 うっとりと頬を撫ぜて、首筋まで下ろしていく。
 「・・・逃げたいんだね、あんた。でも、・・・無理だよ」
 憐れむような口調が、残酷な言葉を紡ぐ。
 だんだんと下りていく手のひらに沿って、唇が頬から首筋の、ちょうど脈打つ箇所に触れる。
 きつくそこを吸い上げれば、刻印のような赤紫色の痕が青年の白い首に鮮やかに刻まれた。
 「・・・っ・・・・・・!」
 「・・・あんたに残された道は、ここで一生犯され続けるか、死ぬかのどちらかなんだよ。といっても、あんたに選ばせる気はないけど・・・」
 浮き出た鎖骨に歯を立ててそこを舐め上げると、青年の体がひくりと震える。
 そのままゆっくりと這う手は、青年の胸元に鎮座する朱い飾りに触れた。
 「・・・!やめ、ろ・・・」
 「たとえここから逃げたって、殺される。・・・犯されて、袋叩きにされて、野垂れ死にさ。あんたは、『区外』の人間なんだから・・・・・・」
 「・・・どういう・・・ことだ・・・・・・」
 片方の突起を指先で、もう一方を唇で攻めたてられれば、もはやあがる息はとめられない。
 荒い息の中で、青年は自分を犯す存在の放った意味深な言葉に疑問を抱いた。
 「・・・ここの街の奴らはね、『区外』の人間に憎しみを抱いてるんだ。目があったら殺してやりたいくらいに」
 青年から体を離し、自分の着ていたシャツをはだける。
 露わになった肌の、左胸の心臓の上あたりにある痕を確認して、青年は目を見開いた。
 ただ傷つけただけではつくものではない、焼け爛れたような醜い傷痕。
 「昔、大きな戦争があったろ?」
 「・・・・・・ああ」
 それは、青年が生まれた頃がピークで、10年前やっと終わった、30年という長い年月をかけた戦争だった。
 世界中の国々が、自らの全てをかけて。
 理由はわからなかったが、青年はその惨事を子供ながらよく覚えている。
 「あの時・・・正確には30年前から、秘密裏でここが実験施設になったんだ。爆撃を受けて、壊滅したと見せかけてね」
 自分の胸にある傷痕に、指を這わせた。
 まるで犯罪者の烙印のようなそれを、うっとりと辿っていく。
 「・・・・・・そうして、ここに俺達を閉じ込めた。罪のない人間たちを捕らえ、実験台に使用するためにね。『区外』の者と区別するために、胸にモルモットの証の烙印を押して・・・・・・。女子供も、みんな」
 「・・・それが、その痕か・・・・・・?」
 おそるおそる問いかける声に、若者は頷いた。
 「・・・痛かったよ。ただの刺青なんかじゃない。縛られて、真っ赤に熱したナイフを突きつけられて、そして・・・・・・こうなる。ここに住んでる奴らは、みんなそうさ」
 軽い笑みを浮かべて、再び青年の胸元に顔を埋める。
 心臓の辺りに口付け、自分達とは違う真っ白な肌を撫でた。
 「・・・わかるだろ?ココに何もない奴は『区外』の人間。知られれば、確実にあんたなぶり殺されるよ。・・・でも、ここにいれば、俺が許可しなけりゃ誰もあんたを殺せない。死にたくなければ、ココで客の奉仕してればいい」
 唇が下へ下へと移動して、青年の下肢の敏感な部分に触れる。
 愛撫の中断で軟らかくなっていたそこは、若者の指先と口内の熱い感触によって、硬さを増していった。
 「・・・っ!・・・」
 途端、青年の体がびくりと反応する。
 「声、出せよ」
 両の手を青年自身に絡ませ、熱を煽る。
 先端のくぼみに爪を立てて軽く引っ掻けば、抑える間もなく声が降ってきた。
 「・・・あ・・・っ・・・!」
 「恥ずかしいことなんてないだろ?ここは俺とあんたしかいない」
 膝立ちになっていた体を起こし、羞恥と快楽に喘ぐ青年を見据える。
 「それに、そんな耐えてばかりじゃ、客を喜ばせてやれないしな」
 「・・・くっ・・・!!」
 舌を絡ませて声を抑える口をこじあける。
 下肢への愛撫の手を強めれば、青年自身の先端から涙が溢れ、若者の手を濡らした。
 片方の手で青年の分泌した体液を掬い上げ、青年の背後に存在する秘められた箇所へ移動していく。
 自分さえも触れたことの無いその部分に他人の指先が入り込む異様な感覚に、青年は眉を顰めた。
 初めて異物を受けいれるそこは、侵入してくる若者の指を必死に拒むが、塗り込まれる体液と、内壁を強く押し返す指の感覚に、青年の意思に反して徐々にほぐされていく。
 「嫌・・・だっ・・・!」
 「あんた、素質あるんだな。初めてなのに、こんなに呑み込んでる」
 耳元で囁かれ、極度の羞恥で全身が真っ赤に染まる。
 若者の指が3本まで入り込み、青年の内壁を犯していく。
 一番長い中指が青年の肛内のある部分を刺激すると、口元から吐息混じりの甘い声が洩れた。
 「んあっ・・・っ・・・!」
 「いいだろ?ココ。・・・感じる?」
 感じるどころか、受けたことのない苦痛と快楽が、お互いを抑制し合うことなく青年の全身を襲う。
 苦しさだけでない恍惚とした表情を認めると、彼を犯す存在はより一層青年を攻め立てた。
 男にのみ許された、苦痛と快楽が一体になったその場所を中心に、周りをぐるりと擦れば、青年の理性は一気にはじけ飛ぶ。
 「・・・ぁあああっ!!」
 後ろからの強い刺激に、限界まで張りつめた青年自身が、それを包み込む手のひらに解放された。
 白濁した液体が次々と吐き出され、脱力したように体がずり下がる。
 荒い息で空気を貪る存在を満足げに見やりながら、若者は酷薄な笑みを浮かべた。
 「・・・イったな」
 顔を近づけ、逸らそうとする碧い瞳を自分の方に向ける。
 「・・・これで、あんたのプライドは無くなったんだよ」
 声も出せずに硬直する青年に見せつけるように、精液で濡れた指先を舐める。
 自分の放ったものが他人に味わうように舐められていると言う事実に、青年は耐え難い羞恥を感じた。
 「・・・だってそうだろ?初対面のヤツにさ、剥かれて、縛られて、犯されてンだぜ?そんな屈辱的な状態でイけるなんて、娼婦とおんなじさ」
 行為のせいで潤んだ目で目の前の存在を睨んでみても、さして効果もなく。
 自分のあまりの愚かさに、青年は唇を噛んだ。
 「・・・ま、『区外』の人間なんてそんなモンだろ。澄ました顔してさ、中身は俺達とかわらない欲望にまみれた奴ばっかなんだろうな」
 あざけるように笑って、青年の背後に手を回し、双丘を割り開く。
 「い・・・やだ・・・!」
 「嘘付くなよ・・・さっき見せてもらったぜ。そんなコト言いながら、内心で悦んでるあんたの姿をね」
 有無を言わさず手首に絡められた鎖ごと全身を反転させ、壁に胸を押しつける。
 息もつけないような無理な体勢の中、熱い吐息が耳元にかかり、青年の体がぞくりと震えた。
 「・・・・・・初めてなんだろ?存分に味わうといい」
 低く甘い声と共に、舌が耳の中を蹂躙する。
 液体の弾ける音と舌の濡れた感触に、青年は頭の奥まで犯されている気がした。
 そして、下肢にあたる圧迫感。
 「・・・・・・あんた、幸せモンだよ。この俺が『初めて』なんてさ」
 「ひ、・・・・・・あああっ!!」
 解されてはいたが、それでもまだ慣れない青年の秘部が、強引に『侵』されていく。
 いきり立つ男のそれが、自分の体の奥を目指して入り込む感覚に、青年は悲鳴を上げた。
 目がくらむほどの激痛。
 それが、息もできないほどの熱い圧迫感と共に全身を襲う。
 「・・・っあ・・・っ!!」
 「全身の力を抜け。そうしないと、あんた怪我するぞ」
 耳元で囁くが、痛みに耐えるだけで精一杯の青年には、その声は聞こえていない。
 若者は軽く舌打ちすると、壁につけていた手を青年の前に回し、あまりの痛みで萎えかけている彼自身に触れた。
 やんわりと刺激してやり熱を煽れば、やっと苦痛だけでない表情が青年の顔に浮かんくる。
 「あっ・・・はあ・・・っ・・・」
 「そうだ、・・・いいぞ・・・」
 青年自身から漏れる粘液を塗り込めるようにして抜き差しを続ければ、口元から甘い声音が洩れる。
 上気した頬にくちづけを落とし、より激しく青年の中を蹂躙していった。
   「・・・気持ちイイだろ?」
 半ばうわの空だった青年は、思わず肯こうとしてあわてて唇を噛む。
 その全てを見ていた若者は、青年の首を横に向けて、顔を覗きこんだ。
 「・・・素直になれよ。SEXなんてのは苦しむためにあるんじゃないんだぜ」
 途端、ひときわ強く奥を貫く。
 「・・・んあっ!・・・っ!」
 同時に、手の中のそれを扱いてやれば、もはや限界とばかりに蜜がこぼれ、押しつけられた壁を濡らしていった。
 「もう・・・イきたい?」
 返答を待たず、先ほど探し当てた青年の快楽の根源を集中して刺激してやる。
 止めることのできない声が絶え間なく洩れるのを聞いて、全てを腕に抱く存在はロ元を歪めた。
 「ほら、イけよ」
 「・・・・・・ぁああっ!!」
 もはや抗う気カを失った体は、煽られるまま精を吐き出した。
 その瞬間、青年の肛内が収縮し、それに促されるようにして中の熱も解放される。
 若者は壁にもたれ脱カした体を抱き締めると、耳元で聶いた。
 「・・・・・・あんた、気に入ったぜ・・・・・・」
 悦に入ったような声が言葉を紡ぐ。
 耳にかかる熱い吐息が嫌で、青年はぎゅっと目を瞑った。
 「・・・何なら、俺のオンナにしてやってもいい」
 その言葉を聞いた瞬間、戒めていた鎖がはずれ、力の抜けた体を支えきれずに床に倒れ込んだ。
 告げられた言葉の意味が理解出来ず、ただ虚ろに目の前の存在を見つめる。
 それに小さく笑うと、青年の後始末をしてやるべく手を後ろに回した。
 「まだ名前聞いてなかったよな。・・・何て言うんだ?」
 尋ねるが、尋ねられた青年は答えることも出来ない。
 後ろに入り込み中を掻きまわす指が、青年の思考を狂わせていた。
   「答える気、ないの?・・・じゃあ、当ててやろう。・・・・・・セフィロス」
 途端、セフィロスと呼ばれた青年が驚愕に目を見開く。
 「なん・・・で・・・オレの名前・・・・・・」
 「不思議か?・・・ま、それはまたの機会にでも教えてやるよ」
 引き裂いた服のかわりに、高級そうなローブを羽織らせてやる。
  「・・・まぁ、その話は後だ。せいぜい慣れてない体でお客達を喜ばせることだな」
 パチンと指を鳴らし、入ってきた男たちに顎をしゃくってセフィロスを示す。
 その顔には、さっきまでの冷めた表情が浮かんでいた。
 「・・・ゲストルームに連れていけ。・・・今夜のメインディッシュだからな」




 


...to be continued...  



vol.2



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