クラウドの受難、セフィロスの受難。その6
「ただいま〜♪」
クラウドの声が玄関からしたので、セフィロスはパタパタと迎えに行った。
「あぁ、お帰り」
けれど、クラウドは上にあがらず、じぃーっとセフィロスを見ている。
セフィロスの怪訝そうな顔にぶつかると、にっこりと笑いかけた。
「いや。あんたもその格好、板についてきたなーと思ってさ。」
頭には三角巾、エプロンも着けて、スリッパ履いてお玉を持っているセフィロス。
もはや一人前の主婦にしか見えない。
「そ、そんなことより、もう少しで夕食だぞ」
少し顔を赤らめて、セフィロスがキッチンに戻ろうとした時、
・・・ボンッ!!
キッチンの方で、何かすごい音がした。
「・・・・・・な、何?!」
あわてて見に行くと、・・・火にかけていた鍋が・・・爆発していた。
「セ、セフィ、水だ、水!!」
あわててセフィロスに言うクラウド。
あわてていたのはセフィロスも同じだったのだが、とりあえず水と聞いて咄嗟に声が出た。
「ウォータっ!!」
・・・一瞬後。
ドバァッ!!
セフィロスの呼んだ水の泡は見事に燃えていた箇所を直撃!!のはずだったのだが。
「・・・セフィ・・・・・・」
服から水滴をしたたらせてうらめしそうにセフィロスを見るクラウド。
さらに、セフィロス自身も髪から何からびしょ濡れてしまっていた。
「もう!あんたもちっと加減とかできないのか?!わざわざコッチまでかけるなよ・・・・・・」
「・・・すまん」
ばつが悪そうにうつむくセフィロス。
「とにかく、まずは一緒に風呂入るぞっ!このままじゃ風邪引くし・・・それに」
ニヤリ、と笑ってクラウドはセフィロスを抱きしめた。
そして下肢に手をやる。
「あんたにもお仕置きしてやんなきゃなっ!」
この先のことが容易に想像出来たセフィロスは、さっきとは比べものにならないほど顔を真っ赤にしたのだった。