04:おやすみ



たまに、おやすみのキスが欲しくなる。
まだ子供だった頃。あなたのしてくれる、額へのキスが大好きだった。
もちろん、今されたら照れ臭いし、あなたも恥ずかしがるよね。
だから、俺が、代わりにするんだけど。

「おやすみ、ギル」

でも、大体、そう言ってキスを落とすときには、
あなたは既に、夢の中。
俺のせいなことくらいわかってるけど、
ちょっと寂しいかな。
できれば、起きてるあなたにキスをしたいけど、
・・・うん、やっぱり、恥ずかしい。
セックスのときは平気だけどね。
その、思い出しちゃうから。昔の、あなたの唇の感触とか。
だから、今日も。
眠る貴方の額に、ついばむようなキス。

「おやすみ、ギル」
「ん・・・おやすみ、レイ・・・」

ギル?起きてたの?
まったく、狸寝入りだなんて本当に可愛いお人だな。
ワカメみたいな髪を撫でてやる。
布団に包まって、俺たちは一緒に瞳を閉じた。









[レイギル好きに10のお題] by 吟遊ウルフ 様
Update:2005/09/25/WED by BLUE

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