坐剤ネタ。



ギルが風邪を引いた。
なぜ研究職という仕事についてるくせに嫌いなのかはわからないが、病院が大嫌いなギルを、
俺は引き摺るようにして連れて行った。
医者は、ごくごく単純に風邪、と診断したのだが、
ギルは薬が嫌いだという。
なんて我侭な、と俺は呆れたが、聞けば風邪薬のせいで、吐いたことがあるらしい。
風邪薬の中には胃腸に刺激を与えるものがあるというが、そのせいなのだろうか。
飲み薬を頑なに嫌がるギルに、医者が与えたもの。
やっぱり薬だけど、内服じゃなかった。
・・・ん?これって、子供に処方されるものじゃなかったっけ?
・・・ま、いいか。ギルも子供みたいなものだし。

「いーーーやーーーだーーーぁぁぁ!!!」
「大人しくしていてください!!ギル!!もっと熱出したいんですか!!」
「そんなもの挿れるより熱のほうマシだっ!!断固反対するっ!!」
「はぁっ!?それでも30歳か、キサマーーー!!」
「30歳だからなおさらだっ!!そんな・・・そんな赤ん坊に使うようなっっっっ」
「ギルが子供だからいけないんでしょうっ!!」
「吐くのも嫌だ!!!」
ああいえばこういう・・・。
つまりは、なんだ、あの人は、坐剤ごときでもめているわけだった。
何食わぬ顔で、予定時間にトイレにでもいって使ってくればいいのに。
俺は別にそんなものまで口を出す気はないんだけど、
薬を渡しただけで、一気に顔を染めるギルとか見せられたら、もうどうしよう、という感じだ。
いや、そんなオロオロした目で俺を見られても。
俺はとりあえず袋に入っていた説明書を開いて見せてやった。
「ほら、ちゃんと読んでください。・・・間違っても食べないでくださいよ!!」
「で、でも・・・こ、これは・・・」
ああ、なんでそこで固まるかな。
「・・・なんですか、ギル。ただの坐剤ですよ。肛門に差し入れてフォ―――(0∀0)―――ウ!!!!と叫べば(違)済むことです。
 っていうかいつもやってるでしょう」
「は、はっきり言うなっ!」
「・・・・・・ちょっと、貸してください」
とりあえず、彼の手から薬を奪い去ると、熱と頭痛にフラフラとするギルをベッドへ押し付けた。
ハッとするのも気にしない。とりあえず薬だ。
自分でやらない、など駄々を捏ねられても困るし、なにより薬はコンプライアンスが大事、ってことで。
コンプライアンスってのは、病人に薬を正しく服用させるってこと。
下手にトイレに駆け込まれ、入れもしないでトイレに流されちゃたまったもんじゃないからね。
高い金を出して取ってきた薬、無駄にされても困る。
というわけで、この際ギルには、気持ちよく足を開いてもらうことにした。
「や、やめなさい、レイっ・・・!」
「何言ってるんですか。ほら、もっと腰突き出して!!」
「あっ!」
ぐい、と彼の尻を掴んで、そのまま衣服をずり下げた。ズボンのベルトはとっくの昔に外させてもらっている。
まぁ、このくらいの修羅場はもう慣れた。
文人のギルと武人な俺じゃ、どちらのほうが強いかなんて目に見えてるし。
とりあえず、ギルには大人しくしてもらうために、彼の奥に指を突っ込んだ。
ギルの呻き声はいつものことだ。快楽がにじみ出てるそれを聞きながら、片手と口で坐剤を空ける。
久々に見たけど、すごいよな、これ。
ちゃんと体温で解けるようにできてるんだ。指で触っただけで、溶けてきそう。
チョコレートみたいだな、って思って、そういえば昔は文字通りチョコレート・・・というか
カカオの脂で作っていたことを思い出した。
で、間違って食べちゃった人もいるとか。危ない危ない。ギルならやりかねないや。
「ほら、ギル・・・」
「あっ・・・」
もう既に赤みを帯びているギルのその部分に、薬を押し当てた。
いっつも俺のモノを突っ込んでるから、こんな直径1センチもない坐剤なんてすぐに飲み込んでしまう。
押し当てただけで、ギルのその部分のひと収縮で、薬はすぐに呑み込まれてしまっていた。
ほら、簡単。
なんでこんな簡単なこと、嫌がるかな、この人は。
「や・・・」
「もう、終わりましたよ。まったく、なんですか、あなたは」
「あ・・・?う・・・。」
頬を紅く染めて、何も言わずに俺を見上げる瞳。
・・・やば、なんか感じちゃったよ。
俺のモノまで熱を帯びてきた気がした。それに、手を這わせてみればギルの前も・・・。
「ああ・・・イヤラシイからだですね、あなたは・・・」
「き、君が、あんなことをするから・・・っ」
そうやって誘うのがいけないんだと思うけど。
まぁ、求めてるなら、ヤらないわけにもいかないよな。
再度、がっちりと彼の腰を押さえつけて、今度こそ内部を解すように指を動かした。
坐剤・・・まぁ、いいよな。
痔の薬みたいに、その部分に止まってゆっくりと局所作用を示す薬じゃないし。
風邪薬・・・ってことは、奥まで入れてやって、早く吸収させたほうがギルのためにもいいだろう。
そして俺もイイ思いできて、一石二鳥・・・と。
相変らず身勝手だとは思うが、
とりあえずギルのソコに自身の雄を押し当てた。一気に挿入する。擦れる感覚が、なんともいえない快感。
「あっ・・・レ、イ・・・っ!んっ・・・あ、・・・」
ギルの声音も俺を乱れさせる。そんな甘い声、出さないで。
俺が抑えられなくなるだろう?
だから、俺は欲望のままに、彼の奥を突き上げる。
昼間っから、何をやってるんだか。
でも、まぁ、これでゆっくりギルが風邪を治してくれるのなら・・、と、
俺は行為を続けた。

そして、後日。
一向に治らない風邪を引き摺って、次の週、再び医者に訪れた。
坐剤が効かなかったのだろうか。医者も首を傾げる。
薬屋にまで、「きちんと服用させましたか?」と聞かれた。俺はハイ、と答えた。
当たり前だ。俺が突っ込んでるんだから間違いない。
仕方なく、もう1週様子をみましょう、ということで、また1週分をもらってきた。
本当に、不思議。ギルも苦しそうだし。でも、それじゃあ理由があるのかな。

・・・思い立って、専門書を捲って見た。
そして俺は、その本の坐剤についての記述の一節に、愕然とすることになる。

「・・・薬物の効果は肝臓の代謝によって減少させられるが、
 肛門入口、すなわち直腸中下部より吸収された坐剤は肝臓を経由せず、即効性である。したがって・・・」

・・・。
ごめん、ギル。
とりあえず、坐剤入れたらそっとしとくよ・・・






end.




Update:2005/10/06/SAT by BLUE

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