小宇宙大戦争! vol.2



フラガは、開いた口が塞がらなかった。
驚いた・・・というより、あきれてものも言えなかったのである。





確かに、パイロットの機械化・・・という話は聞いていた。けれど、それはあくまで三世代前(W(汗))のMD(モビルドール)のようなものであって、
あんな本当に人間の姿だなど知らなかった。
しかも、よりによってクルーゼがあんな自分と同じ姿形でしかも奴の好みに合わせられているモノを作るとは!!
フラガはぎりぎりと唇を噛み締めた。
今頃クルーゼはお楽しみ中なのだろうが、全然自分はおもしろくない。悔しい。
・・・俺にもクルーゼを寄越せ(爆死)!!
切れたフラガは、誰の引き留めも聞かず愛機モビルアーマー、<メビウス(ゼロ)>に乗り込むと、一直線にクルーゼのいるザフト艦―ヴェサリウスへと向かった。
(<深い意味はナッスィング)





一方、勝ち誇った顔で通信を切ったラウ・ル・クルーゼは、当然のごとくお楽しみ中だった。
機械といっても、皮膚やアレまで機械などではない。作る・・・というか設計者の望み通り、皮膚の張り方から当人の感じ方、性格に至るまでオールマイティな、
まさに画期的(!!)な技術だった。
今彼に組み敷かれている存在は、姿形はもちろん、彼の性格も、果ては感じる所まで一緒であり、何よりクルーゼの曲がった愛が伺える。(オイ)
しかも、その上本物にはない素直な心まで持っている(というより抵抗心を失っているといったほうが早い)のだから、クルーゼはご満悦だ。
指揮官として常に周りに気を配るのも忘れ、クルーゼは目先の快感にしばし溺れていた。
が、
「た、たいちょう!!」
新米兵士の上ずった声が通信機器から響いてきて、クルーゼは顔をしかめた。
今イイところだったのに。
ちっ、と舌打ちすると、とりあえず通信機を取った。
「・・・何があった?」
幾分不機嫌なのは致し方あるまい。

怒ったような声に気付いたのか気付かなかったのか、兵士は早口で一気に告げた。
「ち、地球軍のMA(モビルアーマー)、メビウス一機が接近してきています!隊長!!ご指示願います!!」
その言葉に、クルーゼは送られてきた画像に目をやった。
メビウス・・・といっても、有線式ガンバレルが4機もついたあの特殊型は、フラガの愛機であることを彼は知っている。
(フン・・・お前はいつでも邪魔だなムウ・ラ・フラガ)
口元だけで笑みを作ると、クルーゼは先ほどまで自分がいたベッドルームを振り返った。
脱いでいた軍服を着直して、出撃準備をしている男―フラガ(ダミー)と目が合う。
「・・・行けるか?」
「ああ。それに何より、俺達の仲を引き裂く奴は許せねぇからな!」
そう言ったフラガの口元には、不敵な笑みが刻まれていた。






・・・いつの間に、フラガ(ダミー)×フラガになったのさ?(死)




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Update:2003/10/18/FRI by BLUE

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