小宇宙大戦争! vol.3



ヴェサリウス後部から、一機のMS(モビルスーツ)が出てきた。
「・・・クルーゼか!」
一直線に自分に向かってくる白い機体に、フラガが呟く。
シグーは、指揮官専用機で、乗っているのはクルーゼ以外にはいないはずだ。
そう確信してMAを操作していたフラガは、不意に入ってきた通信に驚いた。
目の前に見えるシグーから入ってきた映像には、先ほど自室で見た、自分にうり二つのあの男。
「―――――!!」
驚くフラガに、ダミー・フラガはにやりと笑った。
「はじめまして、オリジナル」
「何ィ?!」
言葉と共に攻撃が降って来て、フラガは必死に逃れた。
・・・反応速度がほとんど同じに見えるのは気のせいだろうか?
「へっ・・・、ダミーの癖に、奴の傍にいるとは甚だしい!!ここでぶち壊してやるぜ!!」
「そんなにクルーゼの傍に行きたいなら、さっさと投降したらどうだい?」
「う、うるさいっ!」
さりげなく心の奥を突かれて、動揺しているオリジ・フラガ。
冷静さを失ったフラガと、至って冷静なフラガでは、たとえ能力は同じでもやはりダミーのほうが強い。
ダミーフラガは彼を追い詰めると、易々とオリジフラガを捕らえたのだった。



「・・・結構かかったな。私はお前がすぐにでも投降してくれると思ったが」
秘密裏に(ここ重要)監房からクルーゼの部屋に連れ込まれたフラガは、くっ、と唇を噛み締めた。
「だ、誰が貴様なんかに・・・!」
その反抗的な態度に目を細めて、クルーゼが顎をしゃくる。
先ほどのダミーフラガは彼を無理矢理立たせて、動きを奪った。
「ふ・・・相変わらずな奴だ。いいだろう。お前は特別に今日からここで暮らせ」
「はぁ?!」
フラガはあっけに取られた。嬉しいような嫌なような、フクザツな気分だ。
「だ、だけどどーすんだよ・・・・・・」
このままだと、出て行ったままの軍の戦艦が気になる。
クルーゼはその様子に口元だけで笑うと、指をパチンと鳴らした。
入ってきた男に、目を見張る。
「彼に、お前のいた機動特装艦に戻ってもらおう。お前よりはもう少し上手くできている」
(・・・何人いるんだ?!俺は・・・・・・)
フラガは脱力してしまった。俺はここで捕らわれの身かよ・・・・・・
「これから、2人には私を存分に楽しませてもらおう。ふふ・・・おもしろくなってきたな・・・」
フラガは、背筋に走る悪寒を感じたのだった。





・・・いやー、怖い。次は初やおい!!




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Update:2003/10/18/FRI by BLUE

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